住宅購入を検討している方で、『何から始めればよいかわからない』なんて人は多いのではないのでしょうか?
大半の人が何気なくホームページを見て物件を探して問い合わせをし内見して、、、、、。このような感じで探しているのではないでしょうか?
実際に接客しているとこのように探し始める人が多いです。
このような探し方をしていると
- 不動産営業マンやハウスメーカーの押し売りに合う
- 購入できるかどうかわからないのに物件をずっと探し続ける
- 欲しい物件が見つかっても逃してしまう
- 購入しても良いか決断ができない
このような状況になってしまう可能性があります。
こんな状況で購入しても後から後悔してしまったり、失敗してしまうだけです。
まずは住宅購入の流れを自分で把握して失敗するリスクを少しでも減らすことが重要になります。
そこで今回は住宅購入のスケジュールを12のステップに分けてご説明していきます。
この記事を読んで欲しい人
- はじめに何をすればよいかわからない人
- 住宅購入で失敗したくない人
- 購入の流れを知りたい人
- 効率良く購入したい人
住宅購入の流れ
住宅購入のスケジュールについて下記のフローチャートをご確認ください。
細かく分けると12個の項目に分類することが出来ます。
それぞれの場面で準備しておくこと、気を付けるべきポイントを説明してきます。
資金計画
まず購入を検討する段階で初めに行うのことは資金計画になります。
ここでは自分の収入と支出、貯蓄などを把握してどのくらい購入資金にあてることが出来るかの確認作業になります。
購入にどのくらい予算をかけても良いのかを確認することができ、過度で無理な
自分の経済状況を把握できないまま物件購入をして無理な住宅ローンを組んでしまうと破産してしまいます。
そうならないためにも資金計画は必ず行うようにしましょう。
希望条件を決める
資金計画が終わったら次は購入したい物件の希望条件を決めていきます。
希望条件は下記の4つをもとに決めていくとスムーズに決めることが出来ます。
- 購入の動機、理由
- 価格帯
- 立地(エリア)
- 間取(設備や建物仕様など)
希望条件を決めるうえで一番大切になってくるのは、優先順位です。
全ての希望条件を叶える物件を購入しようとするとなかなか希望の物件に出会えず購入することが出来なくなってしまいます。
こだわればこだわるほどドツボにはまります。
100点満点の物を探しても実際に市場にすべての条件を満たす物件がある可能性はかなり低いです。
子供の学校の学区、通勤を考えた立地を優先するのか?それとも価格を最優先して決めるのか?
迷った時にどの条件を優先するのかを決めておくと購入を決断するときに役立つはずです。
1~4を参考にどの条件を優先するのかを決めておくようにしましょう。
不動産会社に問い合わせをする
次は不動産会社への問い合わせです。
不動産会社への問い合わせはほとんどがネットからの問い合わせです。
SUUMOやLIFULL HOME’S、at-homeなどポータルサイトに掲載されている不動産で気になる物件を一括問い合わせすることが出来ます。
気になる物件をまとめて問い合わせできるため便利になっていります。
不動産会社のホームページに直接掲載している物件を問い合わせするのも良いでしょう。
この物件問い合わせの際に気を付けたいのが担当者選びです。
選ぶといっても担当者の選定は不動産会社によって異なりますが、基本的にはランダムです。
どの担当者にあたるかは運しだいという事です。
住宅購入にあたって担当者は重要です。どうせなら信頼できて様々な提案をしてくれる営業マンに対応してもらいものです。
今では「お家の買い方相談室」や「注文住宅の相談窓口」など不動産会社や工務店、ハウスメーカーとの間に入ってくれる会社もあります。
公平・中立な立場で住宅ローンや保険の相談、優良工務店やハウスメーカー、不動産会社の営業マンへ直接つないでくれるため信頼できる担当者に対応してもらえる可能性も高くなります。
どうしても気になる方はこういった会社を利用すると良いでしょう。
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物件を見学する
物件を見学するときの注意点をご紹介していきます。
まず注意してほしいことが『間取図面(土地図面)と実際見学するのとでは感じ方が違う可能性がある!』という事です。
図面で見たらイマイチだったけど、実際見学してみたら意外と良かったという感想を抱く方は多くいます。
どうしても図面だけだと実際の広さや日当たり、室内の設備、色合いなどわかりずらい部分が多いため少しでも気になる物件があるのであれば、時間が許す限り見学するようにした方が良いです。
後からあそこも見学しておけばよかった!と後悔しないようにしましょう。
住宅ローンの審査を行う
めぼしい物件が決まったら住宅ローンの事前審査を行います。
事前審査とはいわゆる仮審査で収入、年齢、勤務先、信用情報(過去に滞納履歴などがないか)などから借入可能かどうかを審査します。
事前審査の結果はおおよそ1週間~2週間ほどで結果がわかるようになっています。
早い場合だと翌日に結果が出る場合もあります。
住宅ローンの事前審査に必要な書類は下記の通りとなります。
- 源泉徴収票(個人事業主の場合は確定申告書類2~3期分)
- 健康保険証
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 印鑑
- 直近の健康診断の診断結果(薬を飲用している方はお薬手帳)
- 借入明細(カードローン、カーローンなど)
※金融機関によって必要書類は異なるので確認が必要です。
審査の判断基準は各金融機関によって異なります。
そのため同じ内容でも審査が通る金融機関とそうでない金融機関と結果が変わる可能性もあります。
事前審査っていくつもの金融機関で受けても問題ないの?
こんな心配をする人もいますが事前審査であればいくつ受けても問題はないです。
審査結果によっては低金利で借りられる場合もあるので、必ず複数の金融機関で審査するようにしましょう。
買付申込
住宅ローンの審査の次は買付申込です。
買付申込は不動産会社を通して売主に対して行う物件購入の意思表示になります。
基本的には申し込み順で購入が優先されますが、同じタイミングで複数申込があった場合はどのように優先順を決めるかというと資金の準備が確実な人になります。
これは不動産会社も確実に購入していただけるお客様でなければ売主にも迷惑をかけてしまうことになるため購入資金が確実に準備できる人を優先します。
なので住宅ローンの審査を通しておくことが重要になります。このことから住宅ローンの審査は早くできるのであれば早めに行った方が良いです。
ちなみに買付申込は購入の意思表示と言っても売買契約をしたわけではないので、契約までに気持ちが変わってキャンセルすることもできます。
不動産会社からすればできればキャンセルは避けてほしいと思うところですが、買付申込はあくまで売主に対する意思表示
のため法的拘束力はないので安心してください。
売買契約・重要事項説明
申込が受理されれば次は売買契約と重要事項説明になります。
重要事項説明(宅建業法第35条書面)
重要事項説明とは宅地建物取引士が作成した、土地建物について重要な事柄が記載された書類になります。
重要事項説明は売買契約より前に説明しなければいけないもので、売買契約より数日前に説明していることが好ましいとされていますが、実務上ではほとんどが同日に行います。
この重要事項説明書には不動産の法律上の制限や物件状況(電気・ガス・水道等のライフライン、境界線上について、道路状況など)などが記載されています。
不動産購入の意思決定に関わる重要なことが記載されているため、しっかり内容を理解することが重要になります。
とは言っても
初めて聞く言葉ばかりで難しくて何を言っているかわからない、、、、
なんて思う人がほとんどです。
説明する宅地建物取引士によっては簡潔にわかりやすく説明してくれる人もいますが、書いていることをただ読む場合の人も中にはいます。
これでは重要なことをしっかり理解できないため購入判断に影響を及ぼす場合もあります。
話を聞くだけではなく、わからないことは話を止めて確認するようにしましょう。
売買契約書(宅建業法第37条書面)
重要事項説明が終われば売買契約です。
売買契約書には
- 購入不動産の住所、面積などの情報
- 売買価格
- 不動産の引き渡し、代金精算期限
- 契約の解除条件
- 引き渡し条件
などが記載されています。
ここで気を付けておきたいポイントが契約の解除条件です。
契約はとても重要な手続きになるため契約後に気持ちが変わって購入を辞めたいと言っても簡単には辞めることが出来ません。
契約内容には上記のように簡単に辞めてしまう人がいると売主や仲介業者に損害が出るため、自主都合での解約にあたって発生する違約金の額が設定されています。
違約金の額は売買価格の10~20%で設定されています。
この違約金が発生しないで解約できる条件は主に下記3つとなります。
- 手付解除
- 融資特約解除
- 引渡し前の滅失・毀損
契約内容によって異なりますが、3つそれぞれ条件を満たせば違約金が発生せず契約解除することが出来ます。
手付解除
手付解除は手付金を支払った場合にその手付金を放棄(売主側は倍額を変換)することによって契約解除することが出来ます。
手付解除は売買契約締結後に設定した期日(契約後●●日経過)か債務の履行に着手した場合のどちらかが先に到達した時は解除することが出来ません。
債務の履行とは契約達成のために売主・買主がそれぞれ行わなければいけない事です。
例えば土地の売買で建物の解体が必要で、すでに解体工事に着工していた場合などは解除は難しくなります。
融資特約解除
住宅ローンを利用して購入する際に万が一売買契約後に住宅ローンの審査が通らず融資してもらえないとなった場合に利用できる特約になります。
購入できないのに契約解除できないとなると買主が困るため買主保護のための条件とも言えます。
融資特約には住宅ローンの申込期限や解除期限が設定されている場合がほとんどなので確認するようにしましょう。
引渡し前の滅失毀損
物件の引き渡し前に物件が火事や地震、自然災害などで毀損した場合に売主・買主双方が解除できる特約になります。
例えば火事が起きて建物が引き渡せなくなった場合や地震などで土地が崩れて建物が建てられないなど、契約の目的を達することが出来なくなった場合が該当します。
購入したい物件がほぼなくなってしまったような状態で代金の支払いをしないといけないとなると買主が損をしてしまいます。
反対に売主側も物件を修復して引き渡すために相当な費用がかかるためこちらも損をしてしまいます。
このように売主・買主両者が困らないための解除条件となります。
住宅ローン本申込
売買契約が完了すると住宅ローンの本申込になります。
ここでは売買契約した土地、建物の情報や団体信用生命保険の加入審査も含めて正式に借入するための申込を行います。
団体信用生命保険とは住宅ローンの借り入れ後に万が一債務者が死亡した場合に残債が一括保障される保険になります。
ほとんどの金融機関が融資条件として加入必須にしています。生命保険になるため健康面で病歴がある場合や健康診断で異常がみられる場合などは加入できない場合もあります。
団体信用生命保険に加入しなくても借入可能な金融機関もあるので、もし保険に加入できない場合は併せて検討すると良いでしょう。
本申込での審査はほとんどの金融機関では事前審査で承認されていれば、落ちることはありません。
しかし、ネットバンキングなどの事前審査は申込者の収入面だけで判断している場合が多いため、本申込の審査が通らない可能性もあるため注意しましょう。
■本申込での必要書類
- 重要事項説明書、売買契約書
- 建築確認書類
- 土地・建物登記事項証明書
- 公図、測量図
- 本人確認書類
- 実印
- 所得課税証明書
- お薬手帳
- 健康診断の結果書類
必要書類は金融機関や個々の状況によって変わってくるため担当者に確認するようにしましょう。
金銭消費貸借契約
住宅ローン本申込の承認がでれば次は金銭消費貸借契約です。
これはお金を貸主(銀行)から借主が借りて返すことを約束する契約になります。いわば借金の契約です。金銭消費貸借契約ではほとんどの場合が利息設定されているため、利息の説明などがあります。
金銭消費貸借契約は金融機関によって異なりますが、融資の実行日よりも数日前に行うのが一般的です。
この契約書には主に下記の内容が記載されています。
- 借入する金額
- 返済期日・返済方法
- 利息
- 遅延損害金について
- 期限の利益喪失
- 相殺
- 連帯保証人について
- 抵当権の設定について
契約後に使用することはほとんどありませんが重要な書類なので保管しておくようにしましょう。
売買決済、所有権移転、代金精算
売買決済では融資を実行して各支払先への代金清算、所有権移転登記を同時に行います。借入先の銀行に売主や司法書士を呼んで手続きを行うことが多いですが、日程が調整できない場合は立会せずに遠隔で清算してしまうこともできます。
ここでは登記手続きの書類の記入、押印などが主な作業となります。手続きの時間は約30分~60分かかります。
■作業内容
- 登記手続きの書類記入
- 振込伝票の記入
■必要書類
- 印鑑証明書
- 実印
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード)
- ※住民票(戸建て購入の場合)
必要書類のほとんどは登記手続きで使用します。ここでの行う登記手続きは所有権移転登記、抵当権設定登記になります。(土地・建物を担保に入れることで融資するため、銀行が抵当権を設定します。)
購入物件にほかの抵当権が設定されている場合は抵当権抹消登記を売主側が行います。
住民票は戸建て購入の場合はここで必要となります。この住民票の住所は購入物件に変更後の物があれば、所有権移転登記の登録免許税の軽減(居住用での購入の場合)を受けることが出来るため可能であれば売買前に変更しておくと良いでしょう。
物件引き渡し
物件の引き渡しは設備の仕様説明などを行います。新築住宅や建売住宅であれば建築業者が行います。
中古住宅の場合も不動産会社の営業マンが行ってくれることもありますが、場合によっては引き渡し説明を行わずに鍵の受け渡しのみの会社もあるため説明してもらえるか事前に確認しておくようにしましょう。
引き渡しでは設備説明を一気に行うため説明内容を忘れてしまう事があります。各設備の説明書類も一式もらうことが出来るので一度確認しながら使用してみましょう。
リフォーム
中古住宅を購入してリフォームをする場合は基本的には代金清算、引き渡しを受けた後になります。これは引渡し前に工事を行った後に万が一、売買契約が解除になるとトラブルになるためです。
購入できないのに工事してしまうとリフォーム費用をどちらが支払うかなどトラブルになることが考えられるためです。
ただし売主に了解をもらえれば、現地での見積もりや使用する設備の打ち合わせなどは事前に準備できるので、引渡し前にできるところまで進めておくようにしましょう。
リフォーム工事で注意する点はいつから入居できるかを確認しておくことです。
住宅ローンの支払いもスタートするため、アパートなど賃貸物件に入居している場合だと家賃とローンの支払いが重なり負担が増えるため生活に影響が出てきます。
事前にいつから入居できるかは必ず確認するようにしてください。
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まとめ
住宅購入のスケジュールについて12のステップに分けて説明してきました。
それぞれの気を付けるべきポイントがわかった上で購入に向けて準備すれば、失敗する可能性も低くなります。流れがわからないまま言われるがまま進めてしまわないようにすることが大切です。
わからないことがあればこまめに担当者に確認するようにしましょう。
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