新築の建売住宅は綺麗で価格も注文住宅に比べて安いため購入を検討している人は多いです。
しかし、購入後に生活状況が変わったり家族構成が変わったり状況の変化によって建売住宅の売却を検討する人も多いのではないでしょうか?
実際に私も建売住宅を購入したお客様から売却の相談を受けたこともあります。
そんな方から多く上がってくるご質問が
- 建売住宅がいくらで売れるか?
- 注文住宅と比べて売れるのか?
- 需要はあるのか?
そんな声が多くあります。
結論からお伝えすると建売住宅は注文住宅などに比べて売却しやすいです!
そこで今回は、建売住宅の売却しやすい理由について説明していきたいと思います。
この記事でわかること
◎建売住宅が売却しやすい理由ががわかる
◎建売住宅の売却の流れ
◎建売住宅の売却方法
売却前に確認すべきこと
建売住宅売却のお話の前にそもそも不動産売却時に必要な書類(なくても売却は可能ですが、無駄に経費が掛かりません)についてわからない人も多いと思いますのでご説明してきます。
建売住宅以外の売却時にもタメになる情報になりますので一度確認してみんて下さい。
購入時の売買契約書類
まず購入時の売買契約書類と諸費用など経費でいくらかかったか証明できる資料(領収書や振込明細など)が必要になります。
これは売却時の譲渡所得税の計算に用いるためです。
この購入時の経費がわからないと譲渡所得税が多くかかってしまうため、節税の意味でも購入時の契約書類はなくさないように注意しましょう。
登記識別情報
権利書と言われる登記識別情報が記載されている書類が売却時には必ず必要になります。
正式には登記識別情報通知書と言います。
この書類に記載しているIDを登記の権利移転などの際に使用します。
再発行ができないため購入時に発行されたら大事に保管するようにしましょう。
万が一紛失してしまった場合でも売買は可能ですが、余計な費用が掛かってしまうためなくさないようにしましょう。
建築確認済証、検査済証
建築確認済証とは建築前の設計の段階で建築基準法の基準に守られた建物であるかどうかを証明する書類になります。
建築確認済証が建築前に発行される書類に対して検査済証は建築後に発行される書類で、建築確認申請通りに建築したかどうかをチェックした後に発行される書類になります。
これは住宅売却の際にその物件が建築基準法に違反していない建物だと証明できる書類になるため売却する際に重要な書類になってきます。
買主から見ても建築確認済証、検査済証があれば安心できる重要な書類になるのでなくさないようにしましょう。
設備の説明書、保証期間など記載の書類
住宅設備の説明書などは物件の引き渡し時にもらうことが多いです。
中古物件の場合、設備の説明書がなく使用方法んど詳細がわからない物件が多くあります。
説明書があった方が購入者に役立ちます。
また設備の保証期間が残っている場合は保証書なども保管しておくようにしましょう。
境界関係の資料
境界がどうなっているかは購入者にとって気になるポイントです。
隣地の住民と境界でトラブルはないか?
越境物はないか?
など境界があいまいだと上記のような問題が起こる可能性があります。
境界の杭があるかどうか?測量図があるかどうか?を確認するようにしましょう。
建売住宅が売却しやすい理由
では売却前の確認事項がわかったところで本題の建売住宅が売却しやすい理由について説明していきます。
建売住宅が売却しやすい理由は大きく分けて3つあります。
間取がシンプルでバランスが良い
建売住宅は家族構成などターゲットを絞って間取りが決められています。
建売住宅は3LDK~4LDKの間取りの物件が多いため、注文住宅に比べて大きすぎず、小さすぎず使い勝手が良くなっています。
更に注文住宅は間取りの設計が自由な場合が多いため個性が強く見る人によっては使いづらいと感じることもあります。
比べて建売住宅は間取りもシンプルである意味万人受けしやすい間取りで作られています。
注文住宅のように建築主にとっては100点満点の家でも売却するときはシンプルな建売住宅の方が売却できる可能性が高いという事です。
標準的な設備になっている
建売住宅は良くも悪くも標準的な設備になっています。
水回りの設備(キッチン、トイレ、お風呂など)、工法、断熱材、建物の内装などある程度標準的なものを使用しています。
そのため使い勝手が良く『これはあった方が良い』と感じる最低限の設備が揃っているという事です。
注文住宅の場合だと選り好みの設備が使用されているため、人によっては必要のない設備がついていることもあります。
価格が安い
前述したように建売住宅は注文住宅よりも安価で購入しやすい価格になっています。
そのため当然ですが、売却するときも安くなるため売却できる可能性が高くなります。
また住宅ローンを利用して購入した場合で、住宅ローンの残高が残っている状態だと売却したお金でローンを返済する必要があります。
仮に売却価格がローンの残高に満たない場合は手持ちのお金でローンを完済しなくてはいけません。
建売住宅より注文住宅は費用が高くなるため、当然住宅ローンの金額も高くなりやすいです。
そのため住宅ローンの借入額が多い注文住宅の方が売却するときにローン完済分の価格で売却できなくなることがあるため売却しずらくなります。
そのため建売住宅は価格も安く注文住宅よりも売却しやすいと言えます。
建売住宅売却の流れ
建売住宅が売却しやすい理由がわかったところで、実際に売却するまでの流れを簡単にご説明していきます。
建売住宅の査定依頼をする
まずは物件の査定依頼を不動産会社に依頼します。
建売住宅がの査定金額を知ることで売却価格の目安にすることが出来ます。
査定価格は不動産会社によって異なる場合もあるため複数社に依頼することをお勧めします。
一括査定サイトを利用すれば複数の不動産会社に一括で査定を依頼することが出来ます。
また、建売住宅を購入した不動産会社に査定の依頼はするようにしましょう。
なぜなら同じ建売住宅を何頭も販売しているため建売住宅の販売に慣れておりスムーズに売却できる可能性が高いためです。
不動産会社と媒介契約を締結する
査定が完了したら次は販売を依頼する不動産会社を決めて媒介契約を締結します。
媒介契約とは不動産会社に販売の依頼をする際に行う契約で、契約に向けての販売内容や活動報告、媒介報酬額などの取り決め事を約束する契約になります。
媒介契約には
- 専属専任媒介
- 専任媒介
- 一般媒介
以上の3種類の契約があります。
それぞれの違いですが簡単に説明すると
- 売却時に複数の不動産会社に依頼できるかどうか?
- 自己発見取引(自分で買主を見つけての取引)が可能かどうか?
- 販売活動報告義務があるかどうか?
の違いがあります。
販売開始~物件案内
媒介契約を結んだら販売条件などを打ち合わせし、いよいよ販売開始です。
不動産会社の営業担当者が購入を検討しているお客様を案内してくれます。
スムーズに案内ができるようにあらかじめ、不動産会社には
- 月々の光熱費
- 近隣の生活環境
- 建物の設備仕様、不具合等
を説明しておくようにすると良いでしょう。
また居住中の場合は見られたくないスペースなどは予め伝えておくようにしましょう。
なるべく部屋は綺麗にしておくとお客様の印象もよくなるでしょう。
売買契約~物件引き渡し
購入する人が決まると買主と売買契約を締結します。
売買契約ではいつまでに売買代金の支払い、所有権移転の時期などを行うか?契約時に買主、売主の債務(引き渡しまでに引っ越す、境界の復元を行うなど)が記載されています。
売買契約を締結した後は物件引き渡しまでに引っ越し、住宅ローン完済の手続き(抵当権抹消の手続き)を行います。
買主と日程を調整、売買代金の清算、建物の引き渡しをして無事に売却終了となります。
建売住宅売却時にかかる経費
建売住宅を売却するときにかかる経費について説明していきます。
経費の項目は大きく分けて
- 仲介手数料
- 境界復元費用
- クリーニング費用
- 抵当権抹消、住所変更登記費用
の4つがあります。
仲介手数料は不動産会社に支払う手数料で販売価格に応じて金額が変動します。
境界復元は境界の杭、プレートがない場合に土地家屋調査士に依頼して復元してもらう費用です。
これは任意ですが、一般的には売主負担で行うことが多いです。(境界線がはっきりしていない物件だと売りづらくなるためです)
建物のクリーニング費用も必ず行わなければいけない訳ではありませんが、行った方が売却時にアピールできるため可能であれば行うようにしましょう。
抵当権抹消費用は住宅ローンの残債が残っている場合に発生します。
所有権移転に影響が出るため、登記されている抵当権を抹消(担保を外す)する手続きが必要です。
買主が所有権移転登記などを依頼する司法書士に依頼すると売買の手続きがスムーズに行うことができます。
これらの費用は場合によっては負担が必要ない項目もあります。
売却を依頼する不動産会社にあらかじめ確認するようにすると良いでしょう。
建売住宅売却時にかかる税金について
建売住宅に関わらず売却時には不動産譲渡所得税が課税されます。
申告課税になるため売却した年の翌年に確定申告をする必要があります。
譲渡所得税は下記の計算式で求めることが出来ます。
譲渡費用には下記の費用を含めることが出来ます。
- 仲介手数料
- 印紙税
- 建物解体費用
- 境界復元費用
取得費は
- 購入代金
- 建築代金
- 購入時の税金(印紙税、登録免許税、不動産取得税等)
- 仲介手数料
- 測量費用
計算式から導き出した譲渡所得に所得税、住民税が課税されます。
税率は所有期間によって差があり5年未満の場合約40%の税金が課せられ、5年以上所有していれば約20%の税率になります。
しかし、居住用財産の売却には3000万円の特別控除があるため譲渡所得3000万円までは税金が控除されます。
この特例をうまく利用すれば節税することができるため覚えておくようにしましょう。
建売住宅を高く売るために
ここまで建売住宅の売却について説明してきましたが、建売住宅を高く売却するために気を付けるべきポイントを解説していきます。
メンテナンスをしておく
建物の室内、設備、外壁、屋根などの状態が価格に影響してくる場合もあります。
そのため綺麗に使用しておくことに越したことはないです。
特に築年数10年以上経過している建売住宅であれば外壁、屋根のメンテナンスは一度は行った方が良いでしょう。
ただ、外壁、屋根の塗装は費用がかかるためそのままでも特に問題はないですが、最低限室内の壁紙や設備は綺麗に使用しておくように注意しましょう。
複数の不動産会社に査定依頼する
先ほどもお勧めしましたが、売却するときに不動産会社に査定依頼をすることが重要です。
不動産会社によっては査定額は様々です。そのため一社に絞らず複数の不動産会社に査定依頼するようにしましょう。
ただここで勘違いしてはいけないのは査定額と販売価格は異なるという事です。
販売価格の決定権はあくまで所有者にあります。
査定額を高く出してくれたからと言って不動産会社を決定するのはお勧めしません。
媒介契約を結びたいため査定額を高めに設定する不動産会社もあるためです。
ではどこを見て売却依頼をする不動産会社を選べばよいのでしょうか?
売却を依頼するときは下記の点に気を付けましょう。
- 販売価格の根拠が納得できるものになっている
- HP(ポータルサイトなど)に掲載している物件が多い
販売価格の提案の根拠が納得できるものになっていれば信頼して売却を任せることが出来ると思います。
査定価格が高いだけで販売能力がなければ、売却するまでに時間がかかる可能性があるためHP(ポータルサイトなど)への掲載物件が多いかどうか?広告に費用をかけているかどうか?を確認するようにしましょう。
必要書類を保管しておく
売却前に確認する事でも説明がありましたが、売買契約時の書類は売却時の税金計算で使用します。
そのため書類がないと税金が多くかかるため、手元に残るお金が少なくなってしまいます。
また権利書(登記識別情報通知書)も紛失してしまうと、登記手続きの際に無駄に費用が掛かってしまいますので、なくさないように大事に保管しましょう。
下記の書類は必ず残しておくようにしましょう。
まとめ
ここまで建売住宅の売却しやすい理由について説明してきました。
建売住宅は需要があるため売却時もスムーズに売却できる可能性が高いです。
売却することになった時のために必要な書類を取っておく事、また税金など控除の制度も覚えておくようにしましょう。
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